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学習の「ICT化」を促進には、Blended Learning(ブレンディッド・ラーニング)が効く

ブレンディッド・ラーニングとは、オンライン授業と対面授業環境それぞれの利便性の高い側面を統合した授業アプローチだ。(Garrison & Vaughan, 2008;Tselios, et al., 2011)
 
この定義の曖昧さ故に様々なタイプの授業形態を含むことができる。
以下の2パターンに大別することができる。
 
対面授業内でオンラインメディアを使用するもの
対面授業とオンライン授業を組み合わせるもの
 
いずれのタイプの授業においても、学習管理システム(Learning Management System LMS)の導入によって、BLを促進する効果が期待できる。
 
 
 

学習管理システム(Learning Management System: LMS)でスマートな学習経験を実現

学習管理システムとはインターネット上の仮想教室やプラットフォームのようなものだ。
全てのLMSが持つ特徴的機能は以下の3点だ(Kabassi et al.(2016)
 
(1)リアルタイムのコミュニケーション(チャットなどお)および非リアルタイムコミュニケーション機能(掲示板など);
(2)学習教材の簡易制作と配信機能;
(3)採点機能(自動・手動含む)
 
このように、BLの利点の一つは、それぞれの授業が学習者の多様な「学習スタイル」や「生活スタイル」に応じてカスタマイズできることが大きい(Waha &Davis, 2014, p.172)。
 
 
 

ただブレンドすればいいの?―答えはNoだ

しかし一方で、この定義には危険もあり、単に「ブレンディッド」というラベルのみに踊らされ、テクノロジーを取り込みさえすればいいという形式主義に陥ってしまう可能性がある。
 
ブレンディッド・ラーニングが効果を発揮するためには、以下で説明する「探求のコミュニティ」(Community of Practice: CoI)を実現することが重要だ。
 
 
 

探求のコミュニティとは?―3つのポイント

探求のコミュニティ(Community of Practice: CoI)とは単なる解決策の暗記とは対照的であり、問題解決のために自ら調査を行うアクティブなコミュニティを指す(Garrison andVaughan,2008, p. 14)。よって、ちまたを騒がしてきたアクティブラーニングという考え方とも相性がいい。
 
探求のコミュニティとは社会プレゼンス、認知プレゼンス、そして教育プレゼンスの三要素により構成される。
それぞれがよりアクティブで生産的な学習において重要な条件だ。
 

1つ目のポイント:社会プレゼンス

社会プレゼンスは他者との共同作業等を通じて実現され、学生がオープンに自分の意見を述べられる雰囲気作りや全体の議論を活性化させる効果がある。
 
他人との意見は非常に有益だ。自分非理では考えつかないアイディアを短時間で収集できる。逆に言えば、自分で簡単に思いついたアイディアが他人にとっては目新しく貴重なことが多い。
 
短期間で効率よく、多面的な学習を実現するためには、社会プレゼンスは欠かせない。
 
 

2つ目のポイント:「認知プレゼンス」

認知プレゼンスとは、経験を振り返ったり、個々の経験w自分の中でまとめたりすることで達成される。
批判的思考や分析、関連情報の結合など、学習活動の根幹に係る要素だ。
ものごとを「深く」捉えることは当然、生産的な学習活動には不可欠だ。
それを達成する要素として「認知プレゼンス」は欠かせない。
 
 

3つ目のポイント:「教育プレゼンス」

教育プレゼンスは以上二つのプレゼンスを融合するための「授業デザイン」と、(オンライン・オフライン両方を含む)「教室内での取り回し」を意味する。
例えば、受講生が問題で躓き、議論や理解がストップしてしまうことがある。
その時に突破口を「チラ見せ」し、前進を助けてあげるのは、教員・トレーナーの大切な役割だ。
 
これは「モチベーションの維持」にも非常にも大切な要素だ。
学習の停滞感は、やる気をなくし、満足度も大きく下げてしまう。
そのために受講生ひとりひとりをよく観察して、適切なタイミングでアドバイスをすることが必要不可欠だ。
 
 
 
 
 

ブレンディッド・ラーニングは、探求のコミュニティ実現に「ちょうどいい」

BLのアプローチは、これらCoIの実現に寄与することができる。Garrison and Vaughan(2008, p. 28)によれば、対面型授業では学生同士が直接顔を合わせてディスカッションしたり、オープンに議論できる環境(i.e.社会プレゼンス)を整える事ができる。
 
一方オンライン環境は、学生は発言の前に内容を考え精査する時間を確保できるため、より慎重に考察された意見や発言前の批判的思考の機会(i.e.認知プレゼンス)を学生に与える事ができる。
 
仮想教室やオンライン教室の導入は、教育プレゼンスを促進することもできるはずだ。
教員が学生の自主的活動まで観察対象とするのは容易ではなく、学生主体になればなるほど教育プレゼンスを発揮するのは難しくなる。
 
しかし、この問題は教員がLMSを用意し、そこで学生がコミュニケーションすることで大きく改善することができるだろう。学生の自主的な探究活動も観察する事ができ、教員が助言やコメントを差し込むことで、学生の主体的活動を促進することが可能になるのだ。
 
 
 

ブレンディッド・ラーニングは、英語教育・英語学習にも効果的

このようにBLは単なるICT技術の導入のみではなく探求のコミュニティの実現を通じる事で実質的な学習効果を発揮し得るのである。
受講生に動画制作をさせる課題の効果だけをとってみても、多方面からの研究報告が存在する。
 
 
Toohey, et al(2012)は動画を新たなマルチモダル・リテラシーと捉え、英語による動画制作活動がカナダ、インド、メキシコにおける少数言語話者の児童に与える学習効果を明らかにした。また、Gromik(2006)は、英語動画制作課題に取り組む日本語母語話者の大学生の言語的やり取りを観察し、撮影・編集過程が目標言語に対する内省を促進する効果があると示唆している。中津川と平田(2016)は、動画制作課題が高等教育レベルのBL授業において発揮し得る効果および制限について、LMS上のやり取りと学生によるフィードバックをCoIの枠組みに沿って分析し、その結果をもとにBL授業における動画制作課題の効果を検証する事で今後のブレンディッド・ラーニングのあり方について提言している。
 
 

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参考文献

Garrison, R., & Vaughan, N. D. (2008). Blended learning in higher education : framework, principles, and guidelines (1st ed.). San Francisco, CA: John Wiley.

Gromik, N. (2006). Film editing in the EFL classroom. The JALT CALL Journal, 2(1), 27–36.

 

Kabassi, K., Dragonas, I., Ntouzevits, A., Pomonis, T., Papastathopoulos, G., & Vozaitis, Y. (2016). Evaluating a learning management system for blended learning in Greek higher education. SpringerPlus, 5(1), 1–12. http://doi.org/10.1186/s40064-016-1705-8

 

Toohey, K., Dagenais, D., & Schulze, E. (2012). Second Language Learners Making Video in Three Contexts. Language and Literacy, 14(2), 75–96.

 

Tselios, N., Daskalakis, S., & Papadopoulou, M. (2011). Assessing the acceptance of a blended learning university course. Educational Technology & Society, 14, 224–235.

 

Waha, B., & Davis, K. (2014). University students’ perspective on blended learning. Journal of Higher Education Policy and Management, 36(2), 172–182. http://doi.org/10.1080/1360080X.2014.884677

 


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